2014/01/14

Reaction Time (反射神経)とAimの関係



Reaction Timeを反射神経と訳すのはしっくり来ない(そもそも信号を思考を仲介して応答するのは反射ではない)ので反応時間と書きます。
 
 FPSにおいてAimが良くて、反応時間早いプレイヤーが素の撃ち合いでは強いですが、どうやったら反応時間やAimが良くなるか実験したことがありました。データは2012年3月頃の2週間計測したもので、被験者は私です。

 測定したのは反応時間測定サイトとFlashゲームのShootです。 計測に使用したFlashに論理的根拠が薄いのは重々承知ですが、目安としてメジャーなものを採用しました。
reaction time trainer
Shoot

反応時間とAimingの関係は以下のようなグラフになります。縦軸はShootのスコア、横軸が反応時間の分布図です。
何も考えずに近似直線が引けるほど分かりやすい比例関係にあります。 
この図から言えることは、

「Aimを良くする方法のひとつとして反応時間を短くすることが挙げられる」

ということです。
 これはなぜか?
 反応時間をAimは別のものですが、視覚→脳→手へのフィードバックはAimingの際にも極めて重要であると考えられます。なぜなら、カーソルとターゲットとの距離に応じて腕を振る速度を変更したり、ターゲットの出現からAimを開始する時間に大きく影響するからです。

 反応時間が短くなると反応が良くなり、Aimまで良くなる。これなら反応時間が短いに越したことはありません。

・カフェインの効能
 また、FPSプレイヤーの中で一般的なブーストドラッグとされているカフェインの効用についても調査しました。
コーヒーや栄養ドリンク、錠剤から摂取した量やカフェイン投与からの経過時間と反応時間やAimについて強い関係性は見られませんでした。

 他にも直近の睡眠時間、起床からの経過時間、精神的な疲労度、肉体的に疲労度もメモしておいたのですがAimingや反応時間には大きな影響ないようです。


■反応時間を短くするためにはどうすれば良いのか?
データを見る限り肉体的な状況はあまり関係ないようです。影響が大きいと考えられるのは「集中力」と「デバイス」でした。


■集中する
 やろうと思って出来るものではないのが問題ですが。 2週間の実験の間、期間の前半より後半の方が反応時間は短い傾向にありました。これは、「Flashの画面を見た際に集中する」という条件反射が形成されたためであると考えられます。
 これは実際のゲームでも同様で、高速な反応時間が要求されるタイミングでの集中力を意図的に高める方法を自分で形成すれば良いと思います(心理学でいう所の条件付け)。自分の場合はFlashで既に条件反射が形成されているので、reaction time trainerの黒い画面を頭に思い浮かべることで一時的に集中力を上げています。
 4dN(CS1.6の日本のプロチーム)に所属していたXrayN氏はブログで、”頭の中では「見えたら撃つ、見えたら撃つ、見えたら撃つ」と呪文のように繰り返し唱え自己暗示をかけている。”と書いています。

 私の場合、条件反射の形成が最も大きく反応時間短縮に影響しました。


■デバイスの遅延を極力無くす
 
・マウスのクリック遅延を減らす
 ゲーミングマウスのメインクリックボタンに採用されるマイクロスイッチというスイッチの部品にはチャタリングという現象が発生しやすいのですが、メーカーはチャタリングをソフトウェア的に対策するためにクリック判定を時間をかけて行います(数ms~数十ms程度)。メーカや機種によってクリック判定の時間は異なり、ごく一部のマウスを除き遅延時間をユーザーが変更することは出来ません。

下記の記事でrafa氏がかなり厳密に計測されています。
記事によると、ゲーミングを謳うマウスの中でも数十msの差があるので、マウスの選定基準として遅延時間を加えてみてはいかがでしょうか。私は今は少し特殊なマウスを使っていますが(MCUとセンサーはG400のもの)、最近までG300を使っていました。

・遅延のないディスプレイにする
モニタの遅延はマウスのクリック遅延よりもフォーカスされる事が多いですが、検証記事は結構少ないです。
評判を見ていると、BenQのモニタが高価でありますが人気があるようです。私はXL2410Tを使用しています。今はいくつか新機種が出ており、144Hz対応のXL2411Tが一番良いと思います。
モニタ変更が出来ない場合は、モニタの設定でインスタントモードやゲームモード、スルーモードと呼ばれる低遅延モードに切り替えることが一番手軽でしょう。
テレビをモニタ代わりに出力する構成だと大きな遅延が発生することがあるので非推奨です。

・DWM (Windows Aero)をOFFにする
Windows Vista以降において、ウィンドウで動くアプリケーションではDWMが持つバッファ分の遅延が発生します。ウィンドウモードで動くゲームや、いわゆる「フルスクリーンウィンドウ」というフルスクリーンにように見えるウィンドウモードで動くゲームをプレイする場合はDWMをOFFにする必要があります。OFFにする方法は[Aero 遅延]等で検索すれば出てくるので割愛します。普段プレイするゲームがフルスクリーンの場合は関係ありませんが、上記2つのフラッシュはブラウザ上で走っているので、DWMをOFFにしないと正常に応答速度を測定できません。

 また、Windows 8以降はOSの標準機能ではOFFに出来ません。ゲーマー向けBTOのマシンのOSでWindows 7が選択出来るのはそのためです。ツールを使えばOFFに出来るような記事が幾つかヒットしたのですが、導入が面倒そうなのでOSはWindows 7推奨です。

DWMについて詳細はそのうち書きます。

・クリックの方法を工夫する
ボタンが反応しない程度に指に力をこめておくと、素早いクリックが出来るので10ms程度縮まります。私も実際のプレイでも反応重視の場合は似たような工夫をしています。キーボードのSPACEキーをFireにバインドしているので力を入れるのは左手の親指です。

以上を詰めるとここまでいけます。現在は調子が良い時は0.15秒程度、悪い時でも0.17秒台です。


 私がFPSのマルチプレイを始めた頃(6年前)は、Averageが0.22秒程度でしたので、きちんとした低レイテンシの環境とデバイスを整え、トレーニングを行えば0.06秒程度は簡単に縮めることが出来ると思います。

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