私からのいくつか質問させていただきましたが、解説のリクエストをいただきましたので、簡単にまとめられておきます。
Q. 3360センサーはPixartから直接買っているのですか?それともTindieのようなサービスを利用して間接的に購入していますか?
A. CODICOという会社から直接買っている。その会社がPixartから買っている。
Q. USB HIDに対応したマイクロコントローラは様々なメーカが出荷していますが、ATmega(AVR)を採用した理由があれば教えて下さい。
A. オープンソースで自分のファームウェアをインストールするときにも楽だから。
- 質問の意図:
私は数年前まではCypressのPSoC、今は気分でTeensyを使っていますが、他にもPIC、mbed、STMなど色々な選択肢がある中で、メインで使うMCUの選定は迷っているので、意見を聞いてみたかったです。 - 分かったこと:
下の質問に繋がりますが、専用ライタが不要でUSB経由でファームウェアの書き換えができるという点が決め手になったのだと思います。
回答には出なかったですが、この選定については、ファームを書く人が常用しているかどうかもポイントになってきます。マイクロコントローラなどの組み込み系の部品はメーカを切り替えると、開発環境やプログラムの書き方のお作法が大きく変わる場合が多く、ソースコードの移植性も高くないので、学習コストやコードの書き換えが大変です。
Q. ファームウェアをオープンソースにすることで、コミュニティがファームウェアを改良していくようなムーブメントを意識されていますか?
A. はい。それによってインプットラグの軽減、マウスのプログラミング、ゴールドピンを自分ではんだ付けしたり、ホイールを自分で追加したければ出来るようになる。また、そのホイールを使うためにプログラミング出来る。
- 質問の意図:
新しくマウスを買ってきて試験すると「形は最高なんだけど、ファームウェアの実装が良くなくてトラッキング性能が低い/クリックレイテンシが高いから使えない」みたいな事がよくあります。そうしたときに「ファームウェアのソースコードがあれば自前で書き換えて、自分向けにカスタマイズできるのになぁ」と思うことが多いので、パトリックさんも同じことを考えていたのかなぁと確認したかったです。 - 分かったこと:
恐らく上記の経験をされていたか、経験をした人の意見を聞かれていたのではないかと思います。ゲーミングデバイスのファームウェアのオープンソース化が進むのは、デバイス勢にとってはとても良い事で、「フレームの形や搭載センサなどのハードウェアにだけ注目して購入※して、メーカが準備したファームウェアに不満があれば、自分で改良できる」みたいな感じになっていけば良いなぁと思いました。
※ハードウェアにセンサ付け替え機構などのカスタマイズ機構を入れるのは、私としては重量増の原因になるため支持していません。従って、ある程度メーカが最良だと思うハードウェア要件で、重量を切り詰めたものをメーカが製造・販売するほうが良いと考えています。
デバイス開発者の方とやり取りできる機会は少ないので、とても貴重な機会になりました。とりまとめ、翻訳などをしていただいて、ありがとうございました。